(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇圧力が強い展開と予想される。米国の政府機関閉鎖による経済への悪影響や日本銀行の利上げ期待の高まりから円が買われやすい。
◎SBI FXトレードの上田真理人取締役
- 米政府機関が閉鎖されておりトランプ大統領は民主党と妥協する意向はなく、民主党も妥協しないとみられる-今回は長引く可能性があり、動きにくい中でドル・円の上値は重くなりそうだ
- 政府機関閉鎖で米雇用統計が発表されず、インフレ指標も出ない可能性があるので予想がしにくいが、足元でこれだけ雇用が悪化しているので10月米利下げは確実とみられ、今後出てくるデータで雇用が悪ければ追加利下げも見えてくる
- ドル・円の下値も堅いだろう。145円台後半はないかもしれない。一方、上値は148円前半くらいまでだろう
- 自民党総裁選は今後の政権運営をにらみ誰が首相に指名されるかが重要とみており、誰が勝利したという段階では大きく相場が動くとはみていない
- 予想レンジは1ドル=145円50銭-148円50銭
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 自民党総裁に財政規律維持の小泉氏が当選すればやや円高、積極財政派の高市氏の場合は円安になる-円安に懸念を示し、日銀は利上げした方がいいと発言している林氏だと小泉氏より円高方向だろう
- 林氏が当選した場合、市場はサプライズで反応し、145円台まで円高になる可能性がある-小泉氏は市場がすでに織り込んでいるので146円台にとどまるだろう
- 米政府機関閉鎖が長期化すれば米景気にネガティブで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まりドル・円は下落方向になるだろう
- 米景気があまりにも悪化すると、今度は日銀は利上げしにくくなる面があり、円高を抑える要因になる
- 予想レンジは1ドル=145円-150円
主な予定
- 6日:日銀支店長会議、地域経済報告(10月、さくらリポート)公表
- 8日:日銀の植田総裁がパリ・ユーロプラス主催のフォーラムで講演
- 8日:8月の毎月勤労統計
- 8日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される(9月16、17日開催分)
--取材協力:清原真里.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.