(ブルームバーグ):10月第2週(6-10日)の債券市場は長期金利に上昇圧力が加わる見込み。日本銀行が今月開く金融政策決定会合で利上げに踏み切るとの見方が根強く、積極的な投資は控えられる公算が大きい。
市場参加者の見方
◎三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー
- 日銀の植田和男総裁の講演で利上げに否定的な発言がなく、利上げ観測が高まり金利に上昇圧力がかかるだろう
- 5年債入札については、9月30日の2年債入札が不調だったことに加え、10月利上げへの警戒で上値が重い中、低調な結果を予想する
- 30年債入札は5年債入札に比べてやや無難に消化されるとみる
- 自民党総裁選は高市早苗氏以外の候補者が当選する可能性が高く、財政拡大は抑制され、日銀の自由度は高まる
- 利回り曲線はフラット(平たん)化しやすく、年限の短いゾーンを売って30年債などの超長期債を買う取引がありそう
- 新発10年債利回り予想レンジ1.63-1.7%
◎アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジスト
- 植田総裁の講演に対する債券市場の反応は限定的だった。これまで同様、会合直前まで情勢を見極める構えで、今月の利上げ観測がこれ以上高まることもなければ、低下することもなさそう
- 金融政策に口を挟まなさそうな小泉進次郎氏が自民党総裁選に勝てば長期金利への影響はないだろう
- 長期金利は目先は狭い範囲で推移、関税の影響もあって次の次の利上げはかなり先のため一段と上昇する公算は小さい
- 新発10年債利回り予想レンジ1.62-1.68%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 6日:日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)
- 8日:植田日銀総裁がパリ・ユーロプラス主催フォーラムで講演
- 8日:8月の毎月勤労統計
- 8日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 (9月16、17日開催分)
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