カザフスタン国営で世界最大のウラン採掘企業カザトムプロムは2日、追加上場を検討していると発表した。カザフ政府に保有されていない25%分の株式の一部を対象に、新たな上場先を検討する可能性があるという。

ミールジャン・ユスポフ最高経営責任者(CEO)は1日に首都アスタナで行われたインタビューで、上場については「さまざまな選択肢を検討してきた」とした上で、決定は下されていないと述べた。

世界のウラン生産量の約20%を占めるカザトムプロムは18年にロンドンとカザフスタンで上場して以降、株価パフォーマンスでカナダの競合企業カメコに後れを取っている。カザトムプロム株を巡る地政学リスクの高さや流動性の低さに加え、カメコが核燃料サイクルの下流事業に大きく関与していることが背景だ。

一方、ユスポフ氏は、カザトムプロムの配当は安定しており、「株主にとってドル箱だ」と強調した。

カザトムプロムは近年、核燃料需要が増加する中でも価格を維持するために生産量を抑える戦略を取っており、ユスポフ氏は「量より質」のアプローチを堅持すると指摘。一方で、将来的な埋蔵量を確保するため今後数年間は探鉱活動を強化する方針を明らかにした。

カザトムプロムは8月、現在の市場環境ではフル生産は道理にかなわないと表明。来年の生産量はカザフ政府が定めた計画を約10%下回ると予想した。ユスポフ氏によれば、同社は計画より最大20%少ない生産が認められており、この選択肢も引き続き検討しているという。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、ウラン市場は30年代初頭まで供給過剰が続くが、その後は持続的な需要増加などを背景に供給不足に転じる見通し。

原題:Top Uranium Miner Kazatomprom Weighs Possible New Listing (1)(抜粋)

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