世界最大の資産運用会社、米ブラックストーンは、最新のアジア買収ファンドで100億ドル(約1兆4700億円)の調達目標を達成した。事情に詳しい関係者によれば、インドでの確固たる基盤と、日本市場での存在感拡大が引き続き高いリターンをもたらすと投資家は期待している。

関係者によれば、ブラックストーンは2026年1-3月(第1四半期)末までに資金調達を完了する見通し。マーケティング資料に記載された129億ドルの上限に到達する可能性が高いという。関係者はいずれも公に話す権限がないとして匿名を条件に明らかにした。

同社は2本目のアジアファンドは2025年4-6月(第2四半期)時点で41%のリターンを上げており、これが大口投資家を引きつける要因になっているという。

世界的にはプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資に慎重姿勢が強まっており、借り入れコスト上昇や株式上場の減少、セカンダリーバイアウトの低迷などにより、資本がより長期にわたり拘束される状況が続いている。それでもオルタナティブ資産運用で最大手のブラックストーンは難しい市場環境の中で、世界的なネットワークや長年の実績、専門の資金調達チームを強みに投資を呼び込み続けている。

ブラックストーンの関係者1人によると、前回のアジアファンドの投資家のうち約90%が新ファンドにも参加し、平均の出資約束額は前回比で約30%増加しているという。

同社は2024年9月に3本目のアジアファンドのマーケティングを開始。7月24日の投資家向け電話会議によると、同月に追加で35億ドルを調達し、調達総額が80億ドルに達した。

ブラックストーンの香港在勤広報担当者はコメントを控えた。

原題:Blackstone Hits $10 Billion Asia Buyout Fund Goal Amid PE Chill(抜粋)

--取材協力:Kari Soo Lindberg.

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