米配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズは、ベルギーのスタートアップ「セグメンツ.ai」を買収した。ウーバーが立ち上げたばかりのデータラベリング部門「ウーバーAIソリューションズ」の拡充を図る。

データラベリングとは映像や画像、音声、テキストなどのデータに対してその種類や内容に応じてラベルを付与し、人工知能(AI)の機械学習に活用できる形式にする業務。

ウーバーはリンクトインへの投稿で、今回の買収により、Yコンビネーターが支援するセグメンツ.aiの共同創業者であるバート・デ・ブラバンデレ、オットー・デバルス両氏および同社社員がウーバーのデータラベリング部門に加わると明かした。

ウーバーの広報担当者は買収額についてコメントしていない。米証券取引委員会(SEC)は、金額が大きくない場合、買収に関する財務開示を義務付けていない。

セグメンツ.aiは、自動運転技術に不可欠なカメラやセンサーのトレーニング用データをラベル付けする事業を展開しており、ドローンから自動車まで幅広い対象を扱っている。デバルス氏はリンクトインへの別の投稿で、同社のキャッシュフローは黒字だと明かした。

セグメンツ.aiのこれまでの事業活動と顧客基盤は、データラベリング市場に新規参入したウーバーにとって追い風となり、メタ・プラットフォームズの支援を受けるスケールAIなど既存企業に対する競争力強化につながる。

ウーバーは1年間にわたり、AI開発の一部をインディペンデントコントラクター(IC、独立業務請負人)に委託したい企業向けに自社の大規模なラベリングサービスを売り込んできた。

また、コーディングや金融、法律、科学、言語学の専門知識を持つフリーランサーにデータのアノテーション(注釈)や翻訳、編集などの作業を依頼するプラットフォームを開発し、すでに30カ国で展開している。同サービスは当初、自社の中核事業である配車やフードデリバリー事業向けに始めた取り組みだった。

原題:Uber Buys Data Labeling Startup in Push to Sell AI Services(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.