主要7カ国(G7)は、ウクライナでの戦闘を終わらせようとしないロシアに対して、制裁を大幅に強化することで合意に近づいている。ブルームバーグが確認した草案文書で明らかになった。

草案には「ともに行動する必要があるという点でわれわれは一致している。今こそウクライナの耐性を強化し、ロシアの戦争遂行能力を重大に損ねる措置を協調して大幅に引き上げるべき時だと信じる」と記されている。

G7財務相は1日、声明を発表する予定だが、米国を含むG7全てが署名するまでにまだ変更される可能性もあると、関係者は説明した。米国以外のG7メンバーは、日本と英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ。

加藤勝信財務相はオンラインで開催されたG7財務相会合に出席したことを明らかにし、ウクライナの侵略を続けるロシアへの圧力強化について議論したと記者団に説明。日本も引き続き対応していく方針を示したとし、今回の会合を通じてロシアへの圧力を強める姿勢をG7各国が共有したことは有意義だったと述べた。

現時点の草案によれば、G7はエネルギー、金融、軍需など経済の主要セクターに対する新たな措置を打ち出すほか、ロシアの戦争遂行や制裁回避を支援する国や団体を標的とするさまざまな選択肢に取り組む。

草案は「ロシアの主な収入源である石油輸出に対して、今こそ圧力を最大化すべきだとの見方でG7は一致した」と表明。これはロシアの大手石油企業や、同国産の石油を輸送する影の船団、エネルギー取引の制裁強化にG7が動く可能性を示唆している。

草案はまた、G7財務相がウクライナの財政需要を協議し、凍結されたロシア中銀資産の活用法を協調して探ることにも触れている。

これとは別に、欧州連合(EU)首脳はデンマークで非公式の会合を開いている。域内で凍結されているロシア中銀資産を利用してウクライナに1400億ユーロ(約24兆1600億円)の新たな支援を行う計画の実現に向け、気運が高まっていることが背景にある。EUはまた新たな制裁パッケージも協議しており、ロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入を2027年までに禁止することや。ロシアのエネルギー・金融などの業界に対する制限強化が盛り込まれる見通しだ。

G7、EUとも、それぞれ制裁パッケージを月内にまとめたい考えだと、非公表の協議内容だとして匿名を要請した関係者は述べた。

原題:G-7 Nears Agreement to Ramp-Up Sanctions on Russia’s Oil Revenue(抜粋)

(第4段落以降に情報を加えます)

--取材協力:横山恵利香.

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