米自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループは、60億ドル(約8900億円)の債務再編を目指し、米連邦破産法11条の適用を申請する可能性も含め、債権団と選択肢を協議している。同社の財務状況や業績報告に対する疑念が深まっている。

事情に詳しい関係者によれば、ファースト・ブランズの助言会社は11条適用後の事業継続を資金面で支えるDIPファイナンス(つなぎ融資)を視野に、貸し手と新規融資について調整している。協議が非公開であることを理由に、関係者は匿名で話した。

ファースト・ブランズの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で返答はない。計画は最終決定されたものではなく、変更の可能性がある。

8月のブルームバーグ報道によれば、ファースト・ブランズは債務借り換えを目的とした60億ドルの調達を停止。同社の業績や、ファクタリングという会計上の仕組みに対し、投資家から説明の要求を受けていた。

同社への懸念が広がる中、先週には2027年返済のローン債務20億ドルが額面1ドルにつき50セントを割り込んだ。22日のローン市場ではわずかに反発した。

借り換えをとりまとめていたジェフリーズ・ファイナンシャル・グループは、その取り組みを一時停止。ブルームバーグの報道によれば、ファースト・ブランズから情報を取得するのに苦労しているとジェフリーズは投資家に語っていた。ジェフリーズはコメントを控えている。

ファースト・ブランズはワイパーやウォーターポンプ、フィルターなどの自動車部品を販売。オーナーのパトリック・ジェームズ氏に関する公的な情報は限定的だ。ムーディーズによれば、ファースト・ブランズは借り入れによって製品を仕入れ、それをウォルマートやオライリー・オート・パーツなど大手小売店を通じて販売することで成長してきた。借り入れは主にレバレッジドローン市場で行われていた。

原題:First Brands Mulls Restructuring Options Including Bankruptcy(抜粋)

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