韓国で自転車をめぐるトラブルが急増しています。理由の一つはブレーキのない「ピストバイク」の大ブーム。若者の間で広がるこの流行が、社会問題となりつつあります。

こちらは韓国での映像。道を下ってきた自転車が車線を乗り越え、車と激突。衝撃でフロントガラスにヒビが入りました。

こちらの映像では自転車同士が正面衝突。映像を撮影していた自転車も巻き込まれてしまいました。

韓国では自転車事故が急増しています。そこにはある理由が。

記者
「ソウルではかつて、このような凸凹した道や坂道も多かったことで、自転車の走行には不向きだというふうにも言われて来ました」

しかし近年、道路環境が改善したことで利用者が急増し、それにともない事故が増えたわけです。

そんな韓国で最近、社会問題となっているのがブレーキのない自転車「ピストバイク」。人気ユーチューバーの影響もあり、若者の間で大ブームとなっています。危険な運転をする人も多く、死者が出る事故も起きています。

実際にどんな人たちが乗っているのか?

ピストバイク好きによる集会です。集まっていたのは小学生から高校生の学生たち。驚いたのは自転車の価格。

学生
「今の値段では300万ウォン(約30万円)ぐらい」
「1000万ウォン(約100万円)する。手に入れるのが難しいモデルで」

また、走行中のケガも多く、中には歯を折ったことがあるという人もいましたが…

学生
「技を決める中毒性がある」
「若者の8割が乗っていると思う」

そもそも「ピストバイク」に乗ること自体に問題はないのでしょうか?

学生
「乗っていても警察は何も言いません」

実は、韓国では公道でピストバイクに乗ること自体を禁じる法律はありません。

市民
「ブレーキがない自転車に乗って、人に被害を与えるのはダメです。禁止した方がいいです」

警察は来週から取り締まりを強化する方針を打ち出しましたが、専門家は。

交通問題に詳しい ハン・ムンチョル弁護士
「(ピストバイクに)乗っているだけでは取り締まれません。スピードを出せば安全運転義務違反になりますが、ゆっくり走れば取り締まれないです」

政府はピストバイクを規制する法律作りに向けて動き出しています。