(ブルームバーグ):世界各国の借り手が2日、総額900億ドル(約13兆4000億円)以上の投資適格債を発行し、世界の信用市場の一部では過去最高またはそれに近い水準に達した。
米国では、27社が2日に高格付け債を発行し、レーバーデーの祝日明けに記録された過去最多件数にあと2件と迫った。発行総額は433億ドルで、1日として過去3番目に多い発行額となった。
欧州でも、各国政府を含む20以上の発行体が、計470億ユーロ(約8兆1000億円)超の投資適格債を発行。ハイイールド債も含めた発行総額は496億ユーロに達し、今年初めに記録した1日当たりの過去最高である476億ユーロを上回った。
日本では、少なくとも7社が2日に総額100億ドル建て債を発行。日本企業によるドル建ておよびユーロ建て債の今年の発行額が初めて1000億ドルを突破した。
需要は年初から一貫して堅調に推移し、投資家の関心は特にここ数カ月で一段と高まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)が次回会合で政策金利を0.25ポイント引き下げるとの見方が広がる中、投資家は高利回りを確保しようとしている。
ウェルズ・ファーゴのグローバル高格付け債シンジケート責任者、モーリーン・オコナー氏は、「テクニカル要因は非常に良好で、資金流入は異例の強さ、執行に関するすべての指標が高水準だ」と述べ、「今はまさに発行に適した絶好のタイミングだ」と語った。
加えて、グローバルな優良企業の社債利回りは1年ぶり低水準付近の4.4%にあり、企業にとっては資金調達コストが割安だ。例年、レーバーデー明けには発行が集中する傾向もある。

米国では、医薬品大手のメルクの発行額が全体で3番目の規模となった。欧州では、フランス企業による社債発行が引き続き活発で、不動産会社ユニベイル・ロダムコ・ウエストフィールドによる6億8500万ユーロの起債が目立った。アジアでは、インドステイト銀行が発行したドル建て社債が、インドの金融機関として過去最小スプレッドでの発行となった(ブルームバーグデータ)。
インベスコの北米投資適格債責任者、マット・ブリル氏は、「予想されてはいたが、それでも想定を超える規模だった。案件がずらりと並び、需要の強さが見て取れる」と語った。
原題:Credit Markets Near Records After $90 Billion Bond Sale Spree(抜粋)
--取材協力:Brian W Smith、Finbarr Flynn、Divya Patil.
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