釧路湿原周辺で相次ぐメガソーラー建設
小川彩佳キャスター:
釧路市では自然環境と調和されない設置を望まないなどとして、来月規制条例案を市議会に提出する予定で、10月からの施行を目指すとしています。
急増するメガソーラーなどに、一定の歯止めをかけるような動きも出ているわけですけれども、トラウデン直美さんはこの問題をどうご覧になりましたか。
トラウデン直美さん:
自然エネルギー、再生可能エネルギーが広がっていること自体は必要なことだと思いますが、ただ、なぜ再生可能エネルギーが必要かというと、やはり環境を守っていこうということが大前提にあるわけで、環境破壊に繋がってしまっているのだとしたら本末転倒だと思います。
やり方をしっかり考えていかないといけない。メガソーラーである必要があるのか、よりローカルにそれぞれの家でとか、やり方はいろいろあると思います。
ただ、一番大事なのは、やはりエネルギーを必要として使っているのは人間なので、いかにエネルギーを削減していけるかということも、改めて考えないといけないなと反省も含めて感じました。

藤森祥平キャスター:
釧路湿原は、日照時間が長く、しかも平地で、近くに送電線もあります。そのため、太陽光発電の開発には適している場所だということですが、資源エネルギー庁によりますと、メガソーラーを設置している自治体自体は67%ほどですので、全国の市区町村の3分の2で既に設置されており、釧路市だけの問題ではないということですよね。

地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
釧路湿原は平坦地ですが、おそらく全国のこの番組見てらっしゃる方は「うちの近くは斜面に作っている。大丈夫か?」と心配してる方が非常に多いです。山を削って作っている、あるいはさらに内地で、家の前のすぐそこに作られて困ってる人はたくさんいます。
やはり、国で規制したらどうだという意見があると思いますが、地域によって状況が違うので、ゴルフ場と同じで一元の規制が非常に難しい。逆に言うと、自治体は国が何か言ってくれるのを待っていなくて、自治体自身が「ここに作るのはやめなさい」とやらないと廃棄物処理場と同じ問題で、熱海の土石流のように、いろんな問題が起きてくる可能性がある。
また、必ず寿命が来るので、何十年か経ったとき壊すお金はちゃんとあるのか。自治体が始末しなければいけないのならば本末転倒。特にメガの場合、作るのであれば、壊すところまでのお金を積み立てさせるということを制度上やっていないとまずいのではないかと思います。