18日の日本市場では株式が上昇し、主要指数は前週末に続いて史上最高値を更新した。堅調な米小売売上高や米関税懸念緩和による業績改善への期待から、自動車関連を中心に買われた。債券相場は下落(利回りは上昇)、円相場は対ドルで147円台半ばに下落した。

トヨタ自動車やスズキ、ホンダなど自動車株が買われて株式相場の上昇をけん引した。前週末に発表された米国の7月の小売売上高は幅広い分野で増加し、中でも自動車販売は3月以来の大きな伸びとなった。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、米国は景気が良好な上、金融政策は利下げの方向にあるとし、日本株は上がりやすいと指摘した。

株式

東京株式相場は上昇。自動車のほか、業種別ではサービスや情報・通信、精密機器が高かった。

フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は、投資家は米国の自動車関税が当初の懸念ほど厳しくならないことを織り込み、セクター全体の見通しを再調整しているようだと指摘。トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の会談で、トランプ氏が過去に示唆したロシアへの100%関税が実行されなかったことも、市場参加者にとってひとまずポジティブな材料だと述べた。

一方、この日は銀行株が下落した。笹木氏は、15日に発表された日本の実質国内総生産(GDP)統計を受けて上昇した反動から、利益確定の売りが出ていると話した。

債券

債券相場は下落。米国長期金利の上昇や、日本銀行の早期利上げ期待の高まりを受けた売りが優勢だった。

りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャーは「よほどのことがない限り、日銀の利上げは10月か来年1月が選択肢になる」とみる。金利スワップ市場が織り込む年内の利上げ確率は7割程度に上昇している。

19日の20年債入札について藤原氏は、「株高で年金基金によるリバランスの買いも期待でき、大きく崩れることはないのではないか」と指摘。SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストも、直近2回の20年債入札が強めの結果だったことに加え、足元の20年債が超長期債の中で相対的にアウトパフォームしているため、無難な結果になると予想した。

新発国債利回り(午後3時時点)

為替

東京外国為替市場で円相場は1ドル=147円台半ばに下落。前週末に米国の長期金利がインフレ懸念から上昇したことがドルを支えているほか、実需のドル買いが入ったとの指摘があった。

みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、週末の米経済指標で期待インフレが予想を超え「ドルを売りづらい状況」で、金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値は「ややドル買い方向だった」と指摘した。

その上で、ジャクソンホール会合(米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で22日に予定されるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容を確認するまでは、146-149円のレンジで推移しそうだと述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日に欧州首脳を交えてトランプ米大統領と会談する予定。三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は「今回の会談で停戦の話は出てこないとみられ、大きな材料にはならない」と予想している。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:長谷川敏郎.

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