セブン銀行は18日、ファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠商事と資本業務提携の検討を開始することで合意したと発表した。金融分野で幅広い協業を進める。

広報担当者によると、伊藤忠からの出資額や比率などの詳細は今後詰める。資本提携後も筆頭株主はセブン-イレブン・ジャパンであることに変更はないとしている。セブン-イレブン・ジャパンは現在、セブン銀株を38.5%保有している。

協議が進めば、セブン銀行の現金自動預払機(ATM)戦略の幅が広がる可能性がある。セブン銀の松橋正明社長は2024年11月、ATMの設置先について「セブン以外のコンビニや小売りの可能性もある」と話していた。将来的には伊藤忠傘下のファミリーマートに設置される可能性がある。

セブン銀の株価は発表を受けた午後の取引で一時前営業日比9.8%高の296.6円まで上昇した。伊藤忠の株価も同2.7%高の8208円まで上げた。

セブン銀は6月にセブン&アイ・ホールディングスの連結子会社から外れた。セブン&アイのグループ会社であるイトーヨーカ堂などが保有していたセブン銀株を自社株買いで取得した。

セブン銀のATMは2万8000台あり、機能は日本トップクラスを誇る。提携する地方銀行に口座を持つ利用者は、セブン銀のATMから住所変更などの事務手続きが可能だ。PayPayなどのキャッシュレスサービスの入金にも対応している。

伊藤忠は、ほけんの窓口グループや給与前払いサービスなどを手がける「マネーコミュニケーションズ」やクレジットカード会社を傘下に持つ。両社は今後、具体的な提携のあり方を協議する。

(4段落目に株価動向を追加して記事を更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.