(ブルームバーグ):米厚生省は9日、米食品医薬品局(FDA)でワクチンと遺伝子治療部門の責任者を最近解任されたビナイ・プラサド氏が同職に復帰すると発表した。
厚生省のニクソン報道官は声明で、復帰がFDAの要請によるものだと指摘し、「トランプ政権下でFDAが遂行している重要な業務がフェイクニュースメディアによって妨害されることを、ホワイトハウスと厚生省は容認しない」と強調した。
同報道官によると、プラサド氏は、FDAでワクチンなどの安全・有効性審査を担う生物製剤評価研究センター(CBER)の所長に復帰する。ただ最高科学責任者および最高医療責任者という2つの役職にも復帰するかどうかは分かっていない。
同氏は7月29日、保守派の反発を受けてFDAを突然去った。米バイオ医薬品会社サレプタ・セラピューティクスの遺伝子治療薬を巡る安全性への対応が一因とされる。トランプ米大統領に近い極右活動家のローラ・ルーマー氏は、プラサド氏が大統領の方針に沿っていないと主張していた。復帰にも強く反発していた。
米食品医薬品局(FDA)のマカリー長官は8月4日、記者団に対し、復帰するようプラサド氏を説得中だと語っていた。
プラサド氏は在職期間が3カ月足らずだったものの、FDA内で物議を醸した。新型コロナワクチンに関する追加研究を求め、自身が率いる科学審査チームの判断を覆したほか、異論を押し通すような姿勢を取り、科学的イノベーションを妨げかねないとの批判を招いた。
プラサド氏がFDAを去ったと報じられた際にはバイオテクノロジー関連株が急上昇していた。復帰については、エンドポインツ・ニュースが先に伝えた。
原題:Ousted Vaccine Regulator Vinay Prasad to Return to FDA (1)(抜粋)
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