(ブルームバーグ):11日の取引で、リチウム価格と関連銘柄の株価が急上昇した。中国の電気自動車(EV)バッテリーメーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)による主要リチウム鉱山の一時操業停止を受け、生産抑制が広がるとの見方が強まった。中国政府は経済全体の過剰生産能力に対する取り締まりを強化している。
中国のリチウムメーカー、天斉鋰業は香港市場で一時19%上昇。 江西贛鋒鋰業(ガンフォンリチウム)も14%上昇した。CATLが中国江西省にある主要リチウム鉱山の操業停止を確認したことを受けた。
トレーダーによると、中国・広東省広州市にある先物取引所の広州期貨交易所(GFE)では週明け11日の取引開始直後にリチウム価格が値幅制限いっぱいの8%高となった。
リチウム業界は世界的な供給過剰とEV需要の伸び悩みに直面しており、価格は2022年に付けた過去最高値から約90%下落。各社は投資削減や事業拡張の延期を余儀なくされている。
関係者は週末、CATLが中国江西省にある主要リチウム鉱山での生産を、少なくとも3カ月間停止したと明らかにした。この鉱山を巡っては、8月9日に期限を迎える予定だった採掘許可の延長を市場関係者が注視していた。
CATLは11日に操業停止を正式に認めたが、再開時期については明らかにしなかった。現在、採掘許可の更新を申請中であり、「可能な限り早期に」操業を再開するという。また創業停止が同社全体の事業運営に与える影響は限定的だとした。CATLの株価は香港市場で一時2.8%上昇した。
オーストラリアのリチウム関連株も大幅高となった。PLS(旧ピルバラ・ミネラルズ)の株価は一時19%高。ライオンタウン・リソーシズは25%、ミネラル・リソーシズは14%、それぞれ上昇する場面があった。
トレーダーや業界関係者は現在、電池に用いられる金属の一大拠点として台頭している江西省宜春市周辺の他の鉱山に生産抑制が広がる可能性を注視している。アナリストのリポートなどによると、現地当局は登録や許認可手続きに関する違反が監査で見つかったことを受け、市内の8鉱山に対し、9月末までに報告書を提出するよう求めたという。
原題:Lithium Prices and Stocks Jump After CATL Halts Major China Mine(抜粋)
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