米国の投資適格債市場で4日、13社が計151億ドル(約2兆2200億円)の資金調達に動いた。夏終盤の閑散期を前に、幅広い相場反発と借り入れコスト低下を生かそうとする動きが企業の間で広がった。

13社にはバークレイズやKKRなどが含まれる。ブルームバーグの集計データによれば、発行体の数としては5月12日以来最多で、起債額は7月21日以来の高水準となった。

高格付け債市場での信用リスクを示す主要指標は1日、雇用統計の弱さと新たな関税を受け5月以来の大幅上昇となったが、週明け4日に低下した。一方、資金調達コストも魅力的な水準にある。米投資適格債の最低利回り(YTW)平均は1日の終値時点で4.94%と、昨年10月18日以来の低さとなった。

ボヤ・インベストメントのポートフォリオマネジャー、レニー・ジャン氏は「特に1日の金利の動きを踏まえ、金利が低下している状況を活用しようと企業が本日中に起債を発表するインセンティブは非常に強い」と語り、発行環境は極めて良好との認識を示した。

ループ・キャピタル・アセット・マネジメントのスコット・キンボール最高投資責任者(CIO)によると、米連邦準備制度や通商政策、景気の健全性を巡る懸念を考えると、足元の好環境は急激に悪化する恐れがあることから、企業が今のうちに発行に動くのは合理的だ。

「格付けが投資適格級ならなおさらだが、発行体が時間やボラティリティーと危険な駆け引きをする理由はない」と述べた。

新規発行業務などを担当するシンジケート・デスクは、今週の高格付け債起債額は250億-300億ドル、8月全体では950億ドルと予想しており、その大半は8月最初の2週間に集中するとみられている。キンボール氏によれば、同月最後の2週間は例年、発行が「ほぼ停止する期間」となっている。

原題:Barclays Leads $15 Billion Bond Spree Before August Lull (1)(抜粋)

--取材協力:Ying Luthra.

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