米国債市場では4日、短期債が反落(利回り上昇)。今週は大規模な入札が予定されている。

弱い雇用統計を受けて年内の利下げ観測が強まったことを受け、国債相場は1日には今年に入って最大の上げを記録していた。

モルガン・スタンレーの金利ストラテジストらは「7月雇用統計のようなネガティブサプライズは通常、何日も、あるいは何週にもわたって相場を動かす」とリポートで指摘。米5年債へのロングポジションを引き続き勧めた。5年債利回りは1日に22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下と、1年ぶりの大きさで下げた。

しかし、今週は3、10、30年債で計1250億ドル(約18兆4000億円)規模の入札が実施される。これは5月以来の大きさで、国債相場に下押し圧力がかかる可能性がある。

連邦公開市場委員会(FOMC)会合の日程に連動した金利スワップ動向に基づくと、9月に0.25ポイントの利下げが行われる確率は約85%。1日のピーク時に付けた90%からは低下したが、雇用統計の公表前の約40%からは大きく上昇している。

ベンジャミン・シュローダー氏らINGグループのストラテジストは「市場が発しているシグナルは、関税引き上げに伴う物価上昇を連邦準備制度理事会(FRB)は受け流す必要がある、そして9月の利下げが迫っているということだ」とリポートで指摘。

「こうした見方が強まれば、イールドカーブは一段と大きくスティープ化し得る」と述べた。

原題:Treasuries Rally Hits Wall Before Auctions Totaling $125 Billion(抜粋)

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