(ブルームバーグ):東証株価指数(TOPIX)が史上最高値を更新するなど日本株が堅調を維持する中、個人投資家は弱気ポジションを急拡大している。上昇相場の持続性に対する疑念の強さを示す。
日本の個人投資家は従来、相場の流れに逆らう逆張りスタンスを取ることで知られている。為替の円高とデフレ環境を背景に株式相場の低迷が長く続いた影響とも指摘される。インフレ定着の兆しが見える中でも、こうした長年の習慣が改めて表面化した格好だ。
TOPIXは先週、日米間の通商交渉が妥結したことなどを受けて過去最高値を更新し、週間ベースでほぼ1年ぶりの上昇率を記録した。並行するように、個人投資家による弱気トレードも勢いづいている。
日経平均の騰落率と逆方向に2倍の値動きをするよう設計されたNEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信は、ここにきて残高が急増し、受益権口数は今週、過去最高の1680万口となった。今年の最低水準である4月中旬の560万口から3倍に増えた。

信用取引でも売り残高(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)が急回復しており、先週末時点で9576億円と昨年3月以来の高水準に達した。売り残はトランプ米政権の関税政策への警戒感から相場が混乱した4月に急減したが、その水準からは倍増している。対照的に買い残高は4月以降、おおむね横ばいだ。

個人投資家による現物株の売りも目立つ。先週は過去最高となる1兆2190億円の売り越しを記録した。4月以降、個人はほぼ一貫して売り姿勢を続けており、直近13週間の売越額は計3兆2952億円に上る。13週間の売越額としては2017年1月以来の規模だ。

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