中国系ファストファッション大手SHEIN(シーイン)の2025年1ー3月(第1四半期)の純利益は4億ドル(約600億円)超に拡大し、売上高は100億ドル近くに達した。米関税賦課を前に消費者による購入の動きが加速した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

これにより同社の利益率は約5%に上昇したという。非公開情報として関係者が匿名を条件に話した。

シーインは電子メールで、「データは不正確だ」とコメントしたが、詳細は説明しなかった。

同社が予定する新規株式公開(IPO)計画は、紆余(うよ)曲折を経てきた。当初は米国での上場を目指していたが、サプライチェーンや労働慣行に関する精査を受けて断念。ブルームバーグ・ニュースが7月に報じたところによれば、英上場も検討した後に香港に変更し、目論見書の草案を非公開で提出した。

同社は財務情報を公表しておらず、トランプ米大統領が関税措置を発表した4月以降の四半期の業績は不明だ。

一方で米政府が少額輸入品に対する関税免除措置、いわゆる「デミニミス」を停止したことは、そうした商品を米消費者に提供するシーインにとって打撃となっている。中国・香港からの輸入品に関するルール変更は5月に実施されており、同社は消費者の駆け込み需要の恩恵を受けた可能性が高い。

トランプ氏はさらに7月30日、8月29日から全ての国を対象にデミニミスを停止する大統領令に署名。シーインが供給拠点をベトナムなどに分散させても、米消費者に少額商品を送り関税免除を受けるビジネスモデルの維持に結び付かなくなる。

原題:Shein Revenue Neared $10 Billion in Quarter Before Tariffs (1)(抜粋)

--取材協力:Daniela Wei.

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