(ブルームバーグ):イタリアの高級自動車メーカー、フェラーリの4-6月(第2四半期)売上高は市場予想を下回った。通期見通しが早期に引き上げられるとの投資家の期待は後退した。
4-6月売上高は前年同期比4%増とアナリスト予想を若干下回った。出荷台数は横ばいだった。フェラーリは見通しの引き上げを見送ったものの、米国と欧州連合(EU)の最近の通商合意で米自動車関税が引き下げられたことで、通期見通しへの確信が強まったと説明した。
7月31日のミラノ市場でフェラーリ株は約12%安で通常取引を終えた。
ジェフリーズのアナリストは、4-6月売上高は「予想をやや下回った」ものの、利益は小幅ながら予想を上回ったと述べた。決算発表前にロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のアナリストは「非常に力強い決算であれば、フェラーリが近く業績見通しを引き上げる道筋が整う可能性がある」との見方を示していた。
競合するポルシェは今週、トランプ米大統領の通商政策の影響を考慮して業績予想を引き下げた。しかし投資家は、フェラーリがブランド力によってコスト上昇分を富裕層の顧客に転嫁できると期待している。同社は、下半期には製造コストが低下する見込みだとした。
米国とEUは7月27日、EUからの自動車を含む大半の輸入品に対する米関税率を15%とすることで合意した。自動車関税は27.5%から大幅に引き下げられるが、トランプ氏の関税政策導入前の2.5%と比べれば、依然高水準にある。
フェラーリは全車両をイタリア国内で製造する方針であり、販売全体の約4分の1を占める米国に製造拠点を移して関税コストを相殺することはできない。ただ、同社の受注が依然堅調で、キャンセルも少ないことは、競合他社よりも価格転嫁力が高いことを示している。
原題:Ferrari Shares Dip as Luxury-Car Maker’s Sales Underwhelm (2)(抜粋)
--取材協力:Deirdre Hipwell.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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