(ブルームバーグ):かんぽ生命保険は30日、米投資ファンドKKR傘下の保険会社の再保険事業に20億ドル(約3000億円)を投資する契約を結んだと発表した。米市場を取り込み収益源を多様化する。
KKR傘下のグローバル・アトランティック(GA)は2026年前半までに、再保険の資本調達の受け皿となる組織の運用を始める計画だ。同組織に対するかんぽ生命の出資割合は50%超を見込む。
投資対象は、GAの保険や再保険事業のほか、戦略的投資案件も想定する。
少子高齢化で国内市場が縮小する中、生保各社が海外企業を取り込む動きが相次ぐ。日本生命保険による1兆円超規模の米系生保買収や、第一生命ホールディングスの豪大手保険会社への追加出資といった例がある。
かんぽ生命には郵政民営化法の規制で保険会社を連結子会社にできない制約がある。このため提携を通じて収益源の多様化を進めている。
同社は初の海外提携として23年6月、KKRとGAとの戦略的提携を結び、25年2月には追加投資を協議する覚書を結んでいた。
GAの共同責任者、マヌ・サリーン氏はブルームバーグの取材に対し、かんぽ生命による投資が「提供する商品の幅を広げ、顧客や保険契約者へのサービスを強化するのに役立つ」と述べた。
同氏はまた、「米国の退職金市場は急速に成長しており、年金保険料は過去5年間で倍増している」と説明し、同社がグローバルに資本を投下する機会と捉えている一例だと話した。
かんぽ生命の谷垣邦夫社長は同日の発表文で、今回の投資を通じて米年金市場やグローバルな再保険市場からの収益を取り込み「収益源の多様化につながる」とコメントした。
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