個人投資家が選好する「ミーム株」人気が広がっている。米国株相場が最高値を更新する中でリスク志向を強めている。

SNS上での話題は当初、不動産売買のオンラインプラットフォーム、オープンドア・テクノロジーズに集中していたが、その後、百貨店コールズ、ウエアラブルカメラメーカーのゴープロ、ドーナツ店チェーンのクリスピー・クリームといった割安銘柄にも広がり、これらの銘柄は急上昇した。

ミーム株ブームが再燃している

ブームに巻き込まれる銘柄は増えているものの、株価の上昇は不安定で短命に終わることが多く、2021年のミーム株ブームの際にAMCエンターテインメント・ホールディングスやゲームストップが行ったように、こうした企業が株高を生かして新たな資金を調達できるかどうかは不透明だ。

クリスピー・クリーム株は23日の取引開始直後に一時39%上昇したが、終値では4.6%高にとどまった。

フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズの副最高投資責任者、マックス・ゴックマン氏は、こうしたリスクの高い投資を行う個人投資家にとっては、企業の業績や長期的な見通しよりも、オンライン上で影響力を持つ人物による銘柄投稿が重要だと指摘。

「ある人物がTikTok(ティックトック)でお気に入りの銘柄について投稿すると、10万人以上の投資家がそれに乗って資金を投じていることもある」と話す。

米シタデル・セキュリティーズによれば、個人投資家は直近19営業日連続で現物株を買い越した。買い越し継続は、2021年のミーム株ブーム以降で最長となる。

利益を出していないテクノロジー企業への個人投資家の取引参加率(10日間平均)は23%に到達。ゴールドマン・サックスのトレーディング部門がデータを追跡し始めて以来最高水準となった。この数値は今週に入り、25%まで上昇している。

これらの銘柄の多くが注目を集めているのは空売り残高が高水準にあるためで、より洗練された投資家がこれらの株に対して弱気な見方をしていることを示している。一方、個人投資家は、空売りしている投資家がポジションを解消するために株を買い戻すことで株価が上昇する状況に期待している。

原題:Meme Stock Euphoria Spreads as Retail Traders Pick New Wagers(抜粋)

--取材協力:Natalia Kniazhevich.

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