米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、銀行規制に関する会議を開催した。大手米銀やロビイストらも集うこの種のイベントはこれまで例がなく、出席者はボウマン副議長(銀行監督担当)に対し、厳格な資本要件を避けるよう求める。

JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーの幹部らは、今回の会議を銀行側が望ましいと考える数々の規則変更案を詳細に述べる機会にするとみられている。

リスク計測手法の見直しなどに関する「バーゼル3最終化」や、ストレステスト(健全性審査)の枠組み、大手行に課す資本バッファーの上乗せである資本サーチャージなどが主要議題だ。

ボウマンFRB副議長

今回の会議は、6月に就任したボウマン副議長の発案。同氏は規制の縮小や監督の個別対応を推進する姿勢が銀行業界から歓迎されている。資本要件に関するアプローチには欠陥があるとの見解を持っており、その見直しを表明していた。

規制当局は既に一部要件の緩和を検討しており、6月には強化補完的レバレッジ比率(eSLR)として知られる主要規制の緩和計画を発表した。FRBは大手金融機関を対象とするストレステストの全面的見直しも進めている。

ボウマン副議長はバーゼル3最終化に関する新たな提案の策定に関与するとみられている。最終化の原案は、大手行の資本要件を19%引き上げて損失や金融危機に備える内容となっており、同氏はこれを強く批判していた。FRBは昨年、要件を緩和する修正案を示した。

パウエル議長は会議開幕の挨拶で、銀行システムの資本枠組みが効果的に機能する必要性を強調。銀行が十分な資本を維持し、リスクを適切に管理することが重要だと指摘した。

パウエル氏はまた、競争が業界にとって不可欠だと主張。「大手行が互いに、また非銀行の金融機関や他国の銀行とも自由に競争し、資本を提供して経済成長を支えることが肝要だ」と述べた。発言内容は事前原稿に基づく。

会議の開幕で挨拶をするパウエルFRB議長(動画)

ボウマン副議長は今回の会議を「資本要件が意図された通りに機能しているか、専門的な議論」を引き起こす場と位置付けている。会議では銀行関係者や法律専門家、学者らによるパネル討論会のほか、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)との対談も予定されている。

原題:Banks Ready Fresh Push Against Tighter US Capital Rules (1)(抜粋)

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