(ブルームバーグ):米国向け輸入品を積んだ海上コンテナの数量が2カ月連続で減少したことが、民間の指標で示された。この傾向が続けば、年間ベースで過去最大級の減少となる可能性がある。トランプ米大統領の関税措置で国外製品の購入が妨げられていることが背景にある。
業界のベテランアナリスト、ジョン・マッカウン氏が20日に公表した月次リポートによると、6月のコンテナ輸入量は前年同月比で7.9%減少。5月は6.6%減だった。リポートは全米主要10港のデータに基づく。4月に在庫積み増しを目的とした前倒し輸入で10%近く増加した分がこれで相殺された格好となり、4-6月(第2四半期)は前年同期比1.8%減となった。
「2025年の輸入減少は関税が要因だ。残念ながら現時点ではこの傾向が短期的なものに終わるという兆しはない」とマッカウン氏は指摘。昨年に15%増加した後、「2025年の年間輸入量は減少に転じる可能性が高い」とし、「コンテナ輸送60年の歴史の中でも特に顕著な年次変動の一つになる」と続けた。
こうした取扱量の弱さは、中国から米西海岸向けに輸送されるコンテナのスポット運賃にも反映されており、海運データ・分析会社ドリューリーによれば、同スポット運賃は5週連続で下落した。

マッカウン氏は、コンテナ輸入量が年間で減少したのは、過去に金融危機と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の2回しか記憶にないといい、いずれも短期的な落ち込みにとどまったと述べた。
原題:US Container Volumes Set for Sharp Reversal on Tariff Disruption(抜粋)
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