(ブルームバーグ):米銀シティグループは、投資銀行部門に新たに採用したアナリストに対し、他社からの内定を受け入れているかどうかの申告を求めている。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社による積極的な人材引き抜きへの対抗措置の一環とみられる。
ブルームバーグ・ニュースが確認した21日付の社内文書によると、入社1年目のアナリストは「公正で透明性のある環境を促進する」ことを目的とした「誓約書」の提出を求められる。この誓約書は一度限りの提出が想定されているが、事情に詳しい関係者によれば、今後は年次での再提出を求める可能性もあるという。
同社は文書の中で、アナリストごとの状況については「個別に判断する」としており、この方針はシティグループの広報担当者も認めている。
シティグループの今回の措置は、短期間で転職する若手アナリストを思いとどまらせようとする他行の取り組みに追随する動きといえる。PEファンドは近年、投資銀行が多大なコストをかけて育成した若手を、より高い報酬で引き抜く形で競争力を強めている。
JPモルガン・チェースは、入社後18カ月以内に他社からの内定を受け入れたアナリストは解雇すると表明している。ゴールドマン・サックス・グループは、若手バンカーの忠誠心を定期的に確認する方針だ。事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによると、ゴールドマンは新たに採用したアナリストに対し、他社からの誘いを受け入れていないという誓約を3カ月ごとに求める計画。
こうした動きを受け、アポロ・グローバル・マネジメントなど一部のPEファンドの間では、早期の採用活動を縮小する方針も示されている。
原題:Citi Joins Goldman in Asking Analysts to Disclose New Jobs (1)(抜粋)
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