(ブルームバーグ):スウェーデン自動車大手ボルボ・カーのホーカン・サミュエルソン最高経営者(CEO)は17日のインタビューで、欧州連合(EU)が米国との貿易協定を目指す中、米国車に対する関税を引き下げるべきだと述べた。
サミュエルソン氏は「欧州側も、米国からの輸入関税全体を引き下げる制度を検討すべきだと思う」と語り、EUが米国製の自動車に課している10%の関税について、米国側の関税がこれまで低かったことが「今回の議論の出発点だった」と指摘した。

中国・浙江吉利控股集団傘下のボルボは、関税の影響を受けやすい自動車ブランドの一つだ。関税やこれまでの開発遅延が、電動スポーツタイプ多目的車(SUV)「EX90」やセダン「ES90」の収益性と販売に重くのしかかっている。ボルボは16日、これまでスウェーデンから輸入していた主力SUV「XC60」を、米国工場で生産する計画を発表した。
米国とEUとの交渉は継続中だが、トランプ大統領は最近の書簡で、8月1日からEUからの大半の輸入品に対し、30%の関税を課すと表明した。すでに課されている自動車・自動車部品に対する25%の関税、鉄鋼・アルミニウムに対する50%の関税に加えての措置だ。
ボルボ・カーは17日に発表した4-6月期(第2四半期)決算で、モデル開発の遅れと関税負担の増大に伴う減損処理で、100億スウェーデンクローナ(約1520億円)の営業損失を計上した。同社の株価は、ストックホルム市場で一時8.5%上昇。ただ、年初からは約2割下落している。
原題:Volvo Car CEO Urges EU to Cut Tariffs on US for Trade Deal (1)(抜粋)
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