ゴールドマン・サックス・グループは米国債利回り予想を引き下げた。

ジョージ・コール氏らストラテジストの7月3日付のリポートによると、2年債と10年債の利回りは年末時点でそれぞれ3.45%と4.20%になると見込まれている。従来はそれぞれ3.85%、4.50%と予想していた。

見直しはゴールドマンのエコノミストが今週、年内の米利下げ回数の見通しを修正したことを受けたもの。エコノミストはこれまで年末に1回の利下げを見込んでいたが、新たな予測では9月・10月・12月の3回の利下げを見込んでいる。

ゴールドマンのエコノミストによる予測は、3日に発表された堅調な雇用統計の前に示されたもので、統計はFRBに利下げを迫る圧力をやや緩和させる内容だった。

にもかかわらずゴールドマンの金利ストラテジストはエコノミストの見通しを支持し、雇用の力強さは主に政府部門の採用によるものであり、労働参加率のわずかな低下もあって、その内容はやや割り引いてみる必要があると指摘した。

米国債利回りの予想は、ウォール街のアナリストにとってますます困難になっている。関税によるインフレ圧力と、実質所得の目減りによる消費・経済成長の減速という、相反する見通しを同時に織り込まなければならないからだ。

トランプ米大統領は3兆4000億ドル(約492兆円)規模の財政パッケージに、5日中にも署名する見通し。減税を含むこのパッケージによる歳入減の穴を埋めるために政府の借り入れが増加することへの懸念が高まる。

ゴールドマンの修正後の金利見通しは、市場全体の予想よりもややハト派的だ。ブルームバーグがまとめたストラテジストの予想平均では、10年債利回りは10-12月(第4四半期)に4.29%に達すると見込まれている。3日は4.35%で取引を終えた。

ゴールドマンのストラテジストは「短期金利が緩やかに低下するシナリオは、財政リスクに反応したプレミアム拡大を和らげ、米国債の投資妙味を高め得る」と指摘し、「当局は従来の想定よりも低い短期債利回りを実現するためには、より大きな利下げをする余地がある」と分析した。

原題:Goldman Lowers Treasury Yield Forecasts on Rising Fed Cut Bet(抜粋)

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