来週の円相場は上昇圧力がかかると予想される。日本と米国の関税交渉は9日の猶予期限前の合意が難しいとみられ、リスク回避の円買いが優勢になる。

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 予想レンジは1ドル=142-147円
  • 延長の可能性があるのか、何らかの条件付きとなるのかを含めて関税交渉の決着が焦点。円安是正に対する懸念がくすぶっており、交渉難航はドル・円の上値抑制材料になる
  • 米雇用統計が予想を上回り、7月の米利下げ観測は後退しているものの、今後の金融政策を占う上で米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も重要
  • 米国で減税法案が通過し、日本は参院選を控えて財政拡大懸念が超長期金利上昇にどの程度影響するかも注目される

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長

  • 予想レンジは141-147円
  • ドル・円は上値の重い展開。雇用統計は市場予想を上回ったが、米労働市場全体の勢いが減速していることに変わりはなく、9月の米利下げはメインシナリオ
  • 関税交渉は9日の期限に決着するとはみておらず、延長を含め状況は流動的。満額回答での妥結を期待している向きの失望売りでドル・円は下押しする展開に
  • 企業短期経済観測調査(短観)の大企業景況感が強かったので、日本銀行の支店長会議やさくらレポートで円金利上昇につながる情報が示される可能性がある

来週の主な予定

  • 7日:5月の毎月勤労統計
  • 9日:米FOMC議事要旨(6月17、18日開催分)
  • 9日:トランプ米政権が貿易相手国・地域に課す上乗せ関税の一時停止期限
  • 10日:6月の企業物価指数
  • 10日:日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)公表

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.