(ブルームバーグ):シンガポール政府は、購入から4年以内に個人住宅を売却する場合に課される売却印紙税(SSD)の税率を引き上げる。住宅価格の抑制を目的とした新たな措置の一環だ。
国家開発省と財務省、シンガポール通貨庁 (MAS、中銀)が3日に共同で発表した声明によると、この措置は4日以降に購入された全ての個人住宅に適用される。
印紙税の対象となる住宅の保有期間は3年から4年に延長される。購入後1年以内の売却にかかる税率は従来の12%から16%に引き上げられる。
当局は「近年、保有期間が短い民間住宅の取引件数が急増している」とし、特に、未完成の住宅の転売が大幅に増加していると説明した。
シンガポールの不動産開発会社の株価は4日午前に下落した。最大手のシティー・デベロップメンツ(CDL)は一時4.7%安と、約3カ月ぶりの大幅な下げを記録した。
民間住宅価格は、4-6月(第2四半期)に前期比で0.5%上昇した。上昇は3四半期連続。今週に発表された暫定値によると、ここ数カ月間で新築住宅の販売が鈍化したものの、不動産市場は依然として底堅さを維持している。
不動産価格の高騰に対処するため、シンガポール政府は近年、不動産市場を落ち着かせる措置を実施してきた。これには2023年の外国人の住宅購入者を対象にした加算印紙税(ABSD)の税率引き上げや、昨年導入された公営住宅の購入への規制強化が含まれる。
住宅価格高騰を含む生活コストの上昇は、5月に実施された総選挙前に有権者から指摘された主要な懸念事項の一つだった。
改定された課税措置は、既に住宅の最低居住期間が適用されている公共住宅の所有者には影響しない。
原題:Singapore Adds Property Measures in Surprise Hit to Market (2)(抜粋)
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