(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)には利下げの余地があると、グッゲンハイム・パートナーズ・インベストメント・マネジメントのアン・ウォルシュ最高投資責任者(CIO)が指摘した。経済全体で不確実性が高まり、関税の影響が広がっていることを理由に挙げた。
ウォルシュ氏は、カーライル・グループの共同創業者で共同会長のデービッド・ルーベンスタイン氏とのブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「私がFRBなら、利下げを検討し始める」とし、「実質金利は現在、歴史的に見て非常に高い水準にある」と述べた。
ウォルシュ氏は、FRBが6月に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容に言及。ベージュブックは、米経済活動はここ数週間にわずかに鈍化したと指摘。「景気および政策に関する不確実性が高いと全ての地区が報告した。それが企業や家計の意思決定における消極姿勢や慎重な動きにつながった」と記した。

FRB当局者は、トランプ大統領のインフレへの影響を見極めるため、今年に入り利下げを見送っている。だがトランプ氏はFRBに対し利下げするよう圧力をかけ続けており、パウエル議長を繰り返し批判。FRBの政策が政府の借り入れコストを高止まりさせていると主張している。
ウォルシュ氏は、「FRBは利下げすることで、トランプ大統領の言動に迎合しているように見られたくはないだろう」としつつ、「一方で、実際のところ利下げの余地はあると思う」と語った。
米経済の中でも、低所得層の消費者など一部の脆弱(ぜいじゃく)な領域では、高水準の借り入れコストとインフレが続く中でリセッション(景気後退)圧力にさらされていると、ウォルシュ氏は指摘。ただ高所得層や資本へのアクセスがある層の支えもあり、米経済全体としては底堅さを維持しているとした。グッゲンハイムとしては、米経済は「トレンドを下回る」成長になりつつもリセッションは回避するとの見方だ。リセッション入りの確率については、同社は30-35%程度としているとウォルシュ氏は説明した。
「米経済の一部では既に、過去1年余りにわたってリセッション圧力が見られており、高い借り入れコストとFRBの金利据え置きの影響を強くを受けた脆弱な領域が打撃を受けている。製造業の一部では既にリセッション入りしている」とウォルシュ氏は指摘。米経済全体としてリセッションを回避できたとしても、「以前よりもテールリスクは高く、変動性と不確実性はずっと大きい」と語った。
原題:Guggenheim’s Walsh Says Fed Has Room to Cut Interest Rates Now(抜粋)
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