米スターバックスは2日、コスト管理を徹底しつつ業績回復をできるだけ早期に進めた幹部に対し、1人当たり600万ドル(約8億6000万円)を目標額とする業績連動型の株式報酬を付与する方針を明らかにした。

証券当局への提出書類によれば、報酬は業績目標の達成度に基づき譲渡制限付き株式ユニットの形で支給される。報酬は2027年9月下旬に終了する年度後に付与される予定。

今回の報酬制度は、ブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)が掲げる業績立て直し計画の主要項目を達成することを条件とし、「できる限り迅速に」成果を上げることが求められる。書類によれば、「店舗体験への継続投資を支えるための営業費用の大幅削減」が条件に含まれる。

ニコル氏は昨年9月にCEOに就任後、販売回復に向けて人員増強のテストや調味料バーの復活など、店舗改革を次々と打ち出してきた。アナリストや投資家は同氏の改革プランに信頼を寄せているが、時間やコストがどの程度かかるか疑問も残る。

マイアミ大学ハーバート・ビジネススクールのファブリツィオ・フェリ教授は、通常の年次見直し以外で報酬戦略を改定するのは異例だと指摘。「成功するか、徐々に衰退するかが決まる重要な見直しだと見るなら、600万ドルという金額はうまく機能すれば高くはないかもしれない」と述べた。

報酬が実際に支給されるのは、一定の営業費用削減基準を満たした場合に限られる。店舗刷新に加え、従業員の増員やサービス向上を目的とした施策の達成度に応じて、最大で目標額の200%が支給される可能性もある。

原題:Starbucks Dangles $6 Million Grants to Speed Up Turnaround (1)(抜粋)

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