(ブルームバーグ):鉱山会社大手の英豪系リオティント・グループが一部出資するアルミニウムメーカー、アルミネリー・アルエットは、カナダのケベック州北部にある施設の近代化に最大15億カナダドル(約1590億円)を投資する計画だ。
事情に詳しい複数の関係者によると、アルミネリー・アルエットはケベック州政府が所有する電力会社ハイドロ・ケベック電力と新たな電力供給契約を締結した。関係者らは情報が非公開だとして匿名を条件に述べた。
アルミネリー・アルエットの広報担当者は詳細についてコメントを控えたが、正式発表は4日に予定していると述べた。
同社の投資計画は、トランプ米政権によるアルミ輸入関税の強化で打撃を受ける業界にとって明るい材料となる。同大統領が外国産アルミに対し50%の関税を課す方針を示している中、同金属を使用する米企業にもコスト上昇圧力が及ぶと懸念されている。
その一例として、ビールやワインを製造・販売するコンステレーション・ブランズは2日、アルミ関税により、今会計年度の残りの期間で約2000万ドルのコスト増を見込むと発表した。
米国は国内の需要を満たすアルミ製錬能力を持っておらず、カナダが最大の輸入相手国となっている。
ケベック州のフレシェット州経済相は6月30日、「米国は、北米全体のアルミニウム生産の70%を占めているケベック州を必要としている」とX(旧ツイッター)に投稿し、「われわれの優先事項は、引き続きわれわれの経済と労働者を保護することだ」と述べた。
アルミニエール・アロエットは、リオティントが40%を保有するほか、AMAGオーストリア・メタルやノルウェーのハイドロ・アルミニウムなどの複数企業で構成されるコンソーシアム。同社のウェブサイトによると、ケベック州セティルにある製錬所では約900人が雇用されており、一次アルミの年間生産量は63万トンだ。
原題:Rio Tinto-Backed Aluminum Firm to Invest $1.1 Billion in Canada(抜粋)
--取材協力:Melissa Shin.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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