(ブルームバーグ):米ブラックロックの投資およびポートフォリオソリューション責任者、アレックス・ブラジエ氏は、ドイツ国債は魅力的ではないと考えている。米国から資金を回帰させる欧州の投資家からの需要は見込めるかもしれないが、ドイツ政府の大規模な財政拡張計画が悪材料だという。
同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「ドイツにおける財政拡張の規模を考えると、欧州へのレパトリ(資金回帰)が幾らか進んでいるとしても、ドイツ国債はあまり魅力的には見えない」と語り、ブラックロックとしては英国債の方を選好していると付け加えた。

ドイツ国債は今年、トランプ政権の予測困難な政策運営によって不安定化した米国債に代わる安全資産として買われてきた。しかし、ドイツが借り入れを増やす計画へと注目が戻る中で、超長期債や長期債が圧力を受けている。
30年物利回りは週初から11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、3月以降で最悪の週間パフォーマンスに向かっている。3月には政府が国防とインフラ支出の大幅拡大計画を初めて発表した。27日の利回りは一時3.1%と1カ月ぶり高水準となった。
10年債利回りは2.57%前後での取引。2.50%を大きく下回れずにいる。

ブラックロックはドイツ債について慎重姿勢を取っているが、ブラジエ氏によると、欧州の投資家が米国から資金を引き揚げ欧州へと回帰させている兆候はあちこちに見られる。
「ドルの動向にも、上場投資信託(ETF)の資金フローにも、投資家調査の結果にも表れている」と同氏は述べ、米国を拠点とする投資家も「欧州により多くの投資機会を見いだしている」と語った。
原題:BlackRock’s Brazier Wary of German Bonds on Vast Spending Plans(抜粋)
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