トヨタ自動車は27日、5月のグループ世界販売が5カ月連続で前年同月を上回ったと明らかにした。4月から追加関税を発動した米国向け輸出も前年実績を超えた。

トヨタの発表によると、子会社のダイハツ工業と日野自動車を含めたグループ世界販売は前年同月比7.5%増の95万5532台で、同月として過去最高だった。

トヨタ単体では北米で引き続き底堅い需要を背景に、セダン「カムリ」やスポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」などが好調で販売台数は2桁増となった。日本から米国への輸出も同23%増と前月を上回る伸びを示した。中国や日本での販売台数も前年を超えた。

現地生産を基本として日本からの輸出が他社と比べて少ないホンダの5月の米国輸出台数も前年同月比約250倍の2991台と大幅増となった。

米国向けの輸出台数を開示していないマツダは5月の北米向け輸出台数は前年同月を上回った。トヨタの北米輸出は同31%増となっている。

日産自動車と三菱自動車はそれぞれ北米向け輸出台数がそれぞれ大幅減となったものの両社とも関税の影響との見方を否定した。日産広報担当者は現地での在庫状況を加味して調整した結果だと説明。三菱自の広報担当者は前年同月の北米輸出が通常よりも多かったとした上で、1-5月累計では同程度だと話した。

米国内の製造業活性化を目指すトランプ政権は4月に輸入自動車に対する25%の追加関税を発動し、5月からは自動車部品にも適用を開始。日本政府は自動車関税の撤廃を求めているものの、いまだ米政府との合意に至っておらず、長期化すれば日本から米国に生産を移管する動きが出る可能性もある。

コンサルティング会社アリックスパートナーズで自動車・製造業プラクティス日本リーダーを務める鈴木智之氏は、日系自動車メーカーが米国を重視する姿勢は今後も変わらないとした上で、「関税が継続する限り、日本で生産してアメリカに輸出をしていくといったところは、かなり将来的に減っていく可能性は高いのではないか」との見方を示す。

日本からの自動車輸出への関税影響は価格面で顕著になりつつある。財務省の貿易統計によると、5月に米国向けに輸出された自動車の1台当たりの単価は前年同月比22%減の約354万円で2023年1月(約335万円)以来の低水準だ。一方、台数は同3.9%減の約10万3000台だった。

 

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は今月のリポートで、追加関税による輸出への影響は価格競争力低下に伴う数量の減少と数量の落ち込みを緩和するための輸出企業の価格引き下げに分けられると指摘。5月は価格の落ち込みによる影響が大きかったことについては、「関税コストを一定程度吸収するために、自動車メーカーが価格の大幅な引き下げを行っていると判断される」と述べた。

(ホンダ、日産など他社の情報を追加して更新します)

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