来週の円相場は上昇圧力がかかると予想される。米国で経済の弱さを示す指標が続いていることに加えて利下げ観測が強まっており、日米金利差の縮小を見込む向きが増えている。

◎関西みらい銀行の石田武ストラテジスト

  • 予想レンジは1ドル=143-146円
  • 多くの米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは7月の利下げに慎重な見方を示しているが、可能性は結構ある
  • このところ米経済指標は弱い数字が続き、昨年9月に利下げを開始した時と似た状況になっており、利下げの必要性が高まっている
  • 7月の可能性に言及するメンバーは今のところ少数派だが、米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任指名をにらみFOMC内で徐々にハト派化が進むだろう
  • 7月利下げを織り込む過程でドル・円相場は140円前後を目指していく

◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト

  • 予想レンジは142-147円
  • 米経済の弱さと利下げ観測によりドル安基調が継続する
  • 米中の関税休戦署名と報復税の削除はいずれもドルにポジティブだが、ドルが大きく買い戻されるような材料ではない
  • 米利下げは9月を見込んでいるが、FOMC内で意見が分かれており、決め打ちはできない
  • 目先は高関税の再導入期限の7月9日に向けてヘッドラインで相応に上下に振れるだろう

来週の主な予定

  • 7月1日:パウエルFRB議長、ラガルドECB総裁、ベイリー英中銀総裁、植田日銀総裁がECBフォーラムのパネル討論会に参加
  • 1日:日銀短観(企業短期経済観測調査)6月調査
  • 3日:連合が今年の春闘の最終回答集計結果を公表
  • 3日:高田日銀審議委員が三重県金融経済懇談会で講演と会見
  • 3日:6月の米雇用統計
  • 3日:参院選が公示

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