米フェデックスを創業し、貨物配送業界に変革をもたらしたフレッド・スミス会長が死去した。80歳だった。同社のラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)がウェブサイトで発表した。

スミス氏は1965年、エール大学在学中に、ジェット機を使い荷物を一晩で届けるハブ・アンド・スポーク型のネットワークを考案。海兵隊としてベトナム戦争に2度従軍した後、この構想に投資家の理解を得てフェデックスを71年に創業した。

現在では、年間売上高800億ドル(約11兆6900億円)超を誇る世界最大級の物流企業に成長している。

フレッド・スミス氏(2019年)

創業初期には破綻寸前にまで追い込まれ、家族の財産を危険にさらしたばかりか、業界の常識を覆そうとしたことで法的トラブルにも直面した。当時、貨物配送業界はユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)と米郵政公社による二大勢力が長年支配していた。

フェデックスは現在、世界中で荷物や貨物を輸送し、従業員数は50万人を超える。さらに、小規模の委託配送会社も数千社に上る。ただし、スミス氏は、生涯の目標だったライバルであるUPSの売上高超えは果たせなかった。

スミス氏は個人としてはフェデックス最大の株主で株式約8%を保有。息子のリチャード・W・スミス氏は、フェデックス航空部門のCEOを務めている。

原題:Fred Smith, Who Transformed Parcel by Founding FedEx, Died at 80(抜粋)

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