(ブルームバーグ):米銀ゴールドマン・サックス・グループは、3年前に規制強化を受け自主的に撤退していた「特別買収目的会社(SPAC)」市場に再び参入しつつある。事情に詳しい関係者が明らかにした。
同行は新たなSPAC案件の引き受け再開にオープンだ。今後は案件ごとに詳しく調べ、取引対象を絞り込む可能性がある。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
ゴールドマンは2022年、それまで上場に関与した大半のSPACとの業務を打ち切り、米市場での新規SPAC案件の引き受けをやめていた。
今回の動きは方針転換を意味する。SPACは通常、上場後も買収対象企業との合併を完了させるためアドバイザーとの連携を続ける。

投資家がどの企業を買収するのか不明のまま出資することから、ブランクチェック(白紙小切手)会社とも呼ばれるSPACは、新型コロナウイルス禍後の株式相場上昇の中でウォール街の注目を集め、金融業界の関係者から政治家、著名人に至るまで、多くの人々が大きな利益を狙って参入した。
しかし、規制強化とSPAC経由で上場した企業の株価下落が重なり、そうした熱狂は急速にしぼんだ。 それでも、ヘッジファンドなどが資金の預け先としてSPACを再評価しており、SPACに対する関心がここ数カ月で再び高まりつつある。
SPACでは、投資家が最終的な合併取引に参加しないことを望む場合、元本に利息を加えた資金回収が可能だ。こうした仕組みに加え、一般的な新規株式公開(IPO)案件の低迷が続いていることも、SPAC人気の再燃に拍車をかけている。
ゴールドマンの広報担当者はコメントを控えた。
原題:Goldman Ditches Ban on SPACs as Blank-Check Firms Stage Comeback(抜粋)
--取材協力:Anthony Hughes.
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