米国家運輸安全委員会(NTSB)は18日、ボーイング「737MAX」型機について、エンジンの問題で操縦室や客室に煙が充満する恐れがあるとして早急な対応を求めた。

NTSBの勧告は、大きな鳥がエンジンに激突して煙が広がった事例が少なくとも2件あることが背景。いずれもサウスウエスト航空が運航する737MAXで、エンジンはCFMインターナショナル製の「Leap-1B」が搭載されていた。NTSBはこれらの事案について、エンジンの主要安全機能の1つに不具合があったと判断した。CFMは米GEエアロスペースとフランスのサフランの合弁会社。

NTSBは米連邦航空局(FAA)に対し、乗務員への十分な周知と対応体制の確保を求めるとともに、同様の事態に遭遇した場合について改訂された操作手順の内容を乗務員に確実に周知するよう求めた。また、欧州連合(EU)と中国の航空当局に対しても、エアバスや中国商用飛機 (COMAC)の機体に搭載されている同系列のLeapエンジンで同様の問題があるかどうかに関する調査を求めた。

さらにNTSBは、米欧の規制当局が問題のエンジンを搭載する航空会社に対し、ボーイングとCFMが作業を進めるソフトウエア修正版の導入を義務づけることを勧告した。Leapは737MAXに搭載されている唯一のエンジンの種類で、人気の高いエアバスのナローボディー(単通路)機「A320neo」シリーズでも最も広く採用されている。

FAAは声明で、同局およびボーイングがこの問題について航空会社に警告を行ったと説明。「われわれはこの問題に対応できるよう手順や乗務員訓練の見直しを運航会社に求めた」と指摘した。

CFMの広報担当者は発表資料で、Leap-1B向けソフトウエア更新を含め煙発生リスクへの対応に既に着手しており、類型エンジンに同様の問題の有無に関する調査も進めていると表明した。

ボーイングも声明で、CFMと連携してソフトウエア更新に取り組んでおり、NTSBの勧告を支持するとした。

18日の米株式市場では、GEエアロスペースとして事業を展開する米ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が前日比ほぼ変わらずで取引を終えた。ボーイングの株価は1.3%下落した。

原題:NTSB Issues Urgent Recommendation for Boeing 737 Smoke Risk (3)(抜粋)

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