(ブルームバーグ):中国のアント・グループは、シンガポールと香港でステーブルコイン発行のライセンス取得を目指している。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社はアリババグループ創業者、馬雲(ジャック・マー)氏肝いりのフィンテック企業だ。
シンガポールを本拠とするアント・インターナショナルは、香港で「ステーブルコイン条例」が8月に施行されるのに合わせて、発行体ライセンスの申請を行う方針。ルクセンブルクでも関連認可の取得を図るという。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
ステーブルコインは準備資産を裏付けとする暗号資産(仮想通貨)で、大半はドルなどの法定通貨と連動している。
アントの動きには、同社の国際決済や資金管理サービスの基盤を支える役割を担うブロックチェーン事業を強化する狙いがある。
関係者によれば、アントは昨年、世界全体で1兆ドル(現在のレートで約143兆円)超の取引を処理しており、そのうち3分の1はブロックチェーンベースのプラットフォーム「ホエール」によって処理されたという。
アント・インターナショナルの広報担当者は、関連条例が施行され次第、香港で法定通貨連動型ステーブルコインの発行体ライセンスを申請する計画だと説明した。
香港金融管理局(中央銀行に相当)とルクセンブルク金融監督委員会、シンガポール通貨庁(MAS、中銀)の報道担当はそれぞれコメントを控えた。
原題:Ant International Seeks Stablecoin Permits in HK, Singapore (1)(抜粋)
--取材協力:Kiuyan Wong、Suvashree Ghosh.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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