米オープンAIの元幹部リアム・フィーダス氏が起業に向け、1億ドル(約144億円)余りの資金を調達中だ。材料科学分野への人工知能(AI)の応用を目指す新会社の設立を目指している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

同氏は対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の開発に携わり、2年半前にAIを巡る熱狂を巻き起こしたチームの一員だった。AI投資ブームに着目し、自らスタートアップを始めるオープンAIの元社員が相次いでいる。

関係者によれば、フィーダス氏の新会社ピリオディック・ラボによる資金調達ラウンドはオープンAIが主導しており、ピリオディックの評価額は約10億ドルに達する見込み。

オープンAIを最近退社した別の元社員らもベンチャーキャピタルのベンチマークから資金を調達し、新たなスタートアップを立ち上げている。

関係者によると、このスタートアップは試行錯誤を通じて意思決定を学ぶAI手法「強化学習」に焦点を絞っている。リズム・ガルグ、リンデン・リー、ヤシュ・パティルの3氏が起業を主導したが、社名は明らかになっていない。

この1年で、オープンAIを離れて新たなAI企業を興したり、参加したりする動きが増え、オンライン決済ペイパルの創業に関与したイーロン・マスク氏やピーター・ティール氏らを指すいわゆる「ペイパルマフィア」になぞらえる声も出ている。

オープンAIの元幹部・社員らは、教育や音声ソフトウエア、最先端AIモデルなどを手がけるスタートアップを次々と設立。オープンAIに関連する話題性から投資家の関心は高い。

スタートアップ2社にコメントを求めたが、返答は得られなかった。オープンAIはコメントを控え、ベンチマークも取材に応じなかった。ピリオディックの資金調達については、ジ・インフォメーションが先に報じていた。

原題:Benchmark, OpenAI Back New Startups From Ex-OpenAI Staffers(抜粋)

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