「随意契約」のメリット・デメリットは?
井上キャスター:
「随意契約」のメリット・デメリットなどについても見ていきたいと思います。
これまでの備蓄米は、国有財産なので基本的には「一般競争入札」と定められていて、簡単にいえば“オークション”のような形です。

例えば、▼集荷業者Aが1万8000円、▼集荷業者Bが2万1000円、▼集荷業者Cが2万2000円を提示した場合、一番高値で入札した業者が落札することになります。
ちなみに、財務省によると、2023年度、政府は1万2829円/60キロで買い取りましたが、農水省によると、2万2477円/60キロで落札(第1~3回落札価格の平均)されています。
オークション形式でどんどん値段が高くなると、政府が買い取った価格よりも、落札額が高くなってしまうため、小泉大臣が随意契約について言及したということです。
「随意契約」になると、政府が任意の業者と直接契約を結ぶ形に変わります。

コメの流通に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔 主席研究員は、▼メリットとしては、価格が下がること、流通スピードが短縮できること、▼デメリットは、業者選定が不透明な点だと指摘します。
業者の選定が不透明だと、不公平にもなりませんか、どのようにするのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
例えば、随意契約して今回は儲けにならないとしても、随意契約によって宣伝効果があったり、売名になったりすることはありますので、選定については相当、透明度高くやらないと恣意的になってしまいます。そのため、今まで財務省や農水省も随意契約に慎重でした。
井上キャスター:
江藤前大臣が「できない」としていたのが、一気に変わったということですね。
出水麻衣キャスター:
なぜ「随意契約」が俎上に上がっていなかったのかと不思議に思いますし、こんなにスムーズに切り替えられるものなのですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
一つは、(備蓄米は)国有財産ですから、原則として入札しなくてはいけません。さらに、もう一つ「想定以上に高く入札された」という点があると思います。

出水キャスター:
古古米は2500円ほどで出てくるのではないかということですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
随意契約の中身が出てくれば、早晩はっきりしてくると思います。
出水キャスター:
私は現在4000円台のコメの価格が徐々に下がるのかとイメージしていましたが、そうではないということですか。
TBSスペシャルコメンテーター 星氏:
おそらく5000円程度の銘柄米と、2500円程度の古古米が両方店頭に並ぶという状況になるわけです。