(ブルームバーグ):サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの1-3月(第1四半期)決算は、前年同期比4.6%の減益となった。原油価格の下落が世界最大の石油輸出国であるサウジの財政圧迫につながっている。
11日の発表資料によると、1-3月期の純利益は975億リヤル(約3兆8000億円)。配当総額が減少したにもかかわらず、フリーキャッシュフローは再び配当総額を下回った。営業利益は5.3%減少したが、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は上回った。
アラムコは今年に入り2025年の配当総額を約850億ドルと、前年の3分の2に削減することを決定。これにより同社の財務負担はやや軽減されるものの、財政難が深まるサウジ政府にとっては重要な歳入源の一つが減少することになる。
生産拡大にもかかわらず、4月以降の原油価格下落で、アラムコとサウジ政府はさらなる打撃を受ける可能性がある。
サウジ率いる石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」はこの5週間に2度の大幅増産を決定。トランプ米大統領が仕掛けた貿易戦争の影響も重なり、北海ブレント原油先物は先週、一時1バレル=60ドルを割り込み、4年ぶり安値に落ち込んだ。

アラムコの1-3月期の配当総額は213億6000万ドルと、前年同期の310億ドルから減少。主に業績連動型の配当を大幅に縮小するとの決定が影響した。
ブレント原油は64ドル近辺で推移しており、サウジが財政収支を均衡させるために必要だと国際通貨基金(IMF)が想定する水準(92ドル)を大きく下回っている。
原題:Aramco Profit Drops With Weak Oil Signaling More Strain (1)(抜粋)
--取材協力:Kateryna Kadabashy、Omar Tamo.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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