米アップルが1日発表した1-3月(第2四半期)決算では、関税コストの急増や中国での成長鈍化など、同社が抱える主要な課題を巡る投資家の懸念は払拭されなかった。これを受け、ウォール街ではアップル株の投資判断を引き下げる動きが出ている。

ジェフリーズは2日、アップル株の投資判断を「アンダーパフォーム」に下方修正。アナリストのエジソン・リー氏は「関税の影響は時間とともに拡大し、利益のさらなる下振れ要因となるだろう」と記している。

この日の米株式市場でアップル株は一時5%を超える下げとなり、年初来の下落率は約19%となった。ただ、4月の安値からは持ち直しつつある。

 

アップルは、4-6月(第3四半期)に関税措置に伴うコスト増加が9億ドル(約1300億円)に上ると予想。今四半期の増収率は1桁台前半から中盤になるとした。

これについてジェフリーズは「最良のシナリオ」に基づいていると指摘。「こうした前提は長期的には成り立たなくなる可能性が高い。特に交渉の余地のないセクター別関税が導入される場合はなおさらだ」としている。

ローゼンブラット・セキュリティーズは、アップル株の投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に引き下げた。

アナリストのバートン・クロケット氏はアップルについて「うまく経営されてはいるが、成長はそこそこで、新たな成長を呼び戻すには魅力的な新製品が必要な会社だ」と指摘。「関税や規制で不安定な環境にある中で、株価は割高な水準にある」とリポートに記した。

一方で、今回の決算を好意的に受け止めたアナリストもいる。シティグループのアティフ・マリク氏は「ファンダメンタルズは損なわれておらず、厳しい関税環境の中でもまずまずの業績とガイダンスを示した」と評価した。

それでも、投資判断下方修正の動きは、他の大型ハイテク株に比べてウォール街がアップル株に慎重姿勢を取っていることを裏付ける。ブルームバーグが集計するアナリストの投資判断のうち、買い相当は6割未満で、大型ハイテク株としては低水準だ。ジェフリーズによる引き下げに伴い、売り相当は4件に増えた。

 

原題:Apple Hit With Downgrades as Tariff, Growth Worries Increase (1)(抜粋)

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