(ブルームバーグ):マスターズ・トーナメントの初優勝からわずか数週間後、ゴルフ界のスター、ローリー・マキロイ氏が投資会社TPGと提携し、スポーツファンドを新設する。現役アスリートが資産管理ビジネスに進出する例が増えている。
1日の発表によると、同氏のファンド「TPGスポーツ」は投資会社ルナーテが管理する投資機関から支援を受ける。ルナーテはアブダビを拠点に約1100億ドル(約15兆9000億円)の資産を運用する。TPGスポーツの規模については明らかにされていない。
マキロイ氏はビジネスパートナーのショーン・オフラハティ氏と、新ファンドの運営パートナーに就く。この事業はニューヨーク・タイムズ紙が先に報じていた。
マキロイ氏は4月のマスターズ優勝で、全米プロゴルフ選手権(PGA)と全米オープン、全英オープンを制し、「生涯グランドスラム」を達成した6人目のゴルファーとなった。キャリア通算獲得賞金はタイガー・ウッズに次ぐ1億ドル超で、マキロイ氏はプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資での存在感を強めている。

マキロイ氏は2019年、自身の投資部門兼ベンチャーキャピタル事業「シンフォニー・ベンチャーズ」を設立し、ゴルフ企業や保険、医療分野などで10件超の投資を行っている。タイガー・ウッズ氏と共同で、屋内ゴルフリーグ「TGL」を運営するTMRWスポーツも設立した。
この1年にわたり、スポーツに特化したファンドの設立を模索してきたTPGは、マキロイ氏を新事業のアドバイザーに迎えた。同氏は21年にもTPGと共同で、ゴルフ運営・コンサルティング会社に投資している。
TPGの共同創業者、故デビッド・ボンダーマン氏は北米アイスホッケーリーグ(NHL)シアトル・クラーケンの過半数株を保有したほか、米プロバスケットボール協会(NBA)ボストン・セルティックスの少数株主だった。
過去には引退したアスリートの独占領域とみられてきた個人投資ファンドの設立に、米バスケットボール選手のステフィン・カリーやケビン・デュラント、レーシングドライバーのルイス・ハミルトン、サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドなど、現役のスター選手も次々と参入している。アメリカン・フットボール選手のアーロン・ロジャースが共同設立したベンチャーキャピタル企業RX3は、23年に消費者向け成長株式ファンドの2号ファンドとして、1億5000万ドルを調達した。
原題:Rory McIlroy Teams Up With TPG to Launch Sports Investment Fund(抜粋)
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