人工知能(AI)用半導体大手の米エヌビディアの株式投資判断に異例の「売り」評価が付いた。こうした判断を示したのはシーポート・グローバル・セキュリティーズで、AIの恩恵が「現時点では株価に反映済みだ」と指摘している。

アナリストのジェイ・ゴールドバーグ氏はリポートで、主要顧客は「いずれも自社でチップ設計を目指しており」、「2026年にAI予算の伸びが鈍化する可能性が高い」と予想した。

エヌビディア株は4月30日に一時4.5%下落した。これはAI関連として注目されるスーパー・マイクロ・コンピューターの決算暫定集計が低調で同社株が下落したことが影響したとみられる。

今年に入りエヌビディア株は20%近く下落しており、フィラデルフィア半導体指数(15%安)より大幅安となっている。

シーポートによる今回の「売り」評価は、過去数年にわたり象徴的なAI関連銘柄となったエヌビディアに対する圧倒的に前向きな市場コンセンサスとは対照的だ。ブルームバーグが追跡するアナリストの投資判断では「買い」推奨は約88%を占め、「ホールド」は11%。「売り」はシーポートだけだ。

AIへの大規模投資の持続性には懸念が高まっている。AIインフラ投資を主導するマイクロソフト、アマゾン・ドットコム、アルファベット、メタ・プラットフォームズの4社は今会計年度中に3000億ドル(約43兆円)余り支出する見通し。だが、マイクロソフトは世界各地でデータセンタープロジェクトを縮小しており、一部は突然の停止が報告されている。

ゴールドバーグ氏はエヌビディアの目標株価を100ドルに設定した。この水準はウォール街で最も低いが、現在の株価に比べれば若干の下落を示すに過ぎない。ウォール街の目標株価の平均は約162ドルで、現在の株価を50%程度上回っている。

原題:Nvidia Gets Rare Sell Rating as Seaport Says AI Fully Priced In(抜粋)

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