(ブルームバーグ):ドイツ銀行が29日に発表した1-3月(第1四半期)決算は、トレーディング部門が好調だった。市場のボラティリティー上昇が寄与した。
発表資料によると、債券および外国為替のセールス&トレーディング部門の収入が17%増の29億ユーロ(約4700億円)と市場予想を上回った。ブルームバーグがまとめたデータによると、少なくとも2013年以降で最高となる。
トランプ政権によって引き起こされた市場のボラティリティーが業績に寄与した形だが、一方で不確実性の高まりにより世界中の企業が買収などを控える動きが広がっており、銀行の収益基盤に打撃を与える可能性も浮上している。

イェームス・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO)はブルームバーグテレビジョンで、取引案件に左右されやすい一部の事業部門が4月に「劇的に」減速したものの、見通しは堅調だと強調。債券トレーディングも4月前半に打撃を受けたが、その後は「健全な」パフォーマンスに戻ったと説明した。
株主還元については、4-6月(第2四半期)以降に「再評価する」としている。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は第1四半期決算について「2025年のあらゆる目標達成に向け軌道に乗ったことを示している」と述べた。
ドイツ銀はマクロ経済の不透明な見通しを背景に貸倒引当金を4億7100万ユーロに引き上げた。株主帰属の純利益は18億ユーロに増加した。
原題:Deutsche Bank Debt Trading Hits Record on Market Volatility (1)(抜粋)
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