米電気自動車(EV)メーカー、テスラはカナダで価格を引き上げるとともに、米国製自動車への報復関税が課される前に、既に輸入された車両を購入するよう消費者に呼びかけている。

同社は26日、カナダ版ウェブサイトに「関税発動前の価格で提供。ただし在庫限り」とするバナー広告を掲載した。

テスラのウェブサイトでは、新規注文の車両価格が同日時点で、在庫として掲載されている同じモデルの価格よりも高く設定されている。

例えば、四輪駆動のロングレンジ仕様「モデル3」(2025年モデル)の希望小売価格は新規注文なら7万9990カナダドル(約828万円)だが、同じモデルの在庫車両は約6万9000カナダドルで購入できる。

カナダのカーニー政権は今月3日、トランプ政権による外国製自動車への輸入関税に対抗し、米国製自動車に25%の報復関税を課す方針を発表した。

 

同社はコメント要請に応じていない。今回の値上げについては、専門サイトのdriveteslacanada.caが先に報じていた。それによると、四輪駆動「サイバートラック」を含む一部モデルの新規注文分について、カナダでの購入コストは最大22%増えたという。

トランプ大統領は、カナダが米国の51番目の州になるべきだと繰り返し発言。その結果、トランプ氏の主要な支援者でテスラの最高経営責任者(CEO)でもあるイーロン・マスク氏はカナダで批判を浴びている。テスラの1-3月(第1四半期)決算はここ数年で最悪となり、マスク氏は来月から同社の経営にもっと集中する考えを示している。

原題:Tesla Hikes Canadian Prices and Pushes Its Pre-Tariff Inventory(抜粋)

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