トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ローマ教皇フランシスコのバチカンでの葬儀参列に先立ち、約15分間会談した。ゼレンスキー大統領は「確実で永続的な和平」の可能性に期待を示し、「良い会談」だったと評価した。

ゼレンスキー氏は「われわれは1対1で多くを話し合った。協議した全てについて成果を期待している。共通の成果が得られれば、歴史的となり得る非常に象徴的な会談だった」とX(旧ツイッター)に投稿した。

ホワイトハウスは両首脳が「建設的な話し合い」を行ったと発表した。議論の内容に詳しい人物によると、両者は停戦、防空システム、平和プロセスに関する根本的な問題について議論した。

トランプ大統領がロシアとウクライナに停戦を迫り、ロシアに有利な合意をウクライナが強いられるのではないかと懸念される状況で、ゼレンスキー氏との会談が行われた。

両首脳の直接会談は、2月末にホワイトハウスの大統領執務室で激しい口論の末、協議が決裂して以来。トランプ氏が政権2期目発足から100日目を迎える今月30日までに和平合意をまとめたい意欲をうかがわせるものとなった。同氏はロシアに有利との批判も聞かれる和平案での合意成立に向けて圧力を強めている。

ウクライナ大統領府の報道官によれば、両首脳の過密スケジュールのため、当初取り沙汰された2回目の会談は実現せず、トランプ氏は帰国の途に就いた。

トランプ氏は会談後にSNSで、ロシアのプーチン大統領が戦争終結を避けるために時間稼ぎをしている可能性があると批判。追加の制裁が必要になるかもしれないと示唆した。

米国に戻る途中、トランプ氏はSNSに投稿し、ここ数日の民間地域へのミサイル攻撃に言及。プーチン氏にはそうする理由はないと指摘した。「これは、プーチン氏が戦争を止めたいのではなく、私を利用して引き延ばしているだけなのかもしれない。『銀行制裁』や『2次制裁』といった異なる手段で対応する必要があるかもしれないと考えさせられる」と述べた。

一方、ゼレンスキー氏はローマで、フランスのマクロン大統領とも会談した。ウクライナ外相によると、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長との会談も計画しているという。

米国のウィトコフ特使は25日、モスクワでプーチン氏と4度目の会談を行った。トランプ氏はその後、ロシアとウクライナが「合意に非常に近い」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。

ローマ教皇フランシスコのバチカンでの葬儀参列のためローマに到着したトランプ大統領夫妻(4月25日夜)

原題:Zelenskiy Has Hopeful Meeting With Trump, Who Then Rebukes Putin、Zelenskiy Hails Potential Historic Outcome After Trump Talks (1)(抜粋)

(トランプ氏の投稿などを追加して更新します)

--取材協力:Chiara Albanese.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.