米アップルはロボティクス事業を人工知能(AI)部門責任者の監督下から切り離す。AI分野での苦戦を踏まえた組織再編の一環だ。

事情に詳しい複数の関係者によると、アップルは今月中にロボティクス事業チームをハードウエア部門に移管する計画。ハードウエアエンジニアリングを統括するジョン・ターナス上級副社長の管轄下に入るという。未発表情報を理由に関係者は匿名で述べた。

ジョン・ジャナンドレア上級副社長

AI部門トップのジョン・ジャナンドレア氏の管掌から主要プロジェクトが外れるのは過去1カ月で2件目。3月には同氏を音声アシスタント「Siri」の担当から外した。一連の組織再編は、アルファベット傘下グーグルやオープンAIなどに後れを取るAI分野で巻き返しを図るための措置だ。

グーグル出身で、アップルでは機械学習とAI戦略の上級副社長を務めるジャナンドレア氏は今後もAI関連業務の大部分を統括する。今回の再編により同氏のチームは基盤となるAI技術に注力する時間が増えるという。

アップルの広報担当者はコメントを控えた。

Siriのエンジニアリング部門は、複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」のハードとソフトの開発を率いていたマイク・ロックウェル氏が引き継いだ。同氏はSiriの管理職の大半をVision Proチームの上級幹部と入れ替えるとブルームバーグ・ニュースは今週、報じた。

原題:Apple Strips Robotics Unit From AI Chief Weeks After Moving Siri(抜粋)

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