(ブルームバーグ):台湾の頼清徳総統は10日、トランプ米政権が打ち出した上乗せ関税を踏まえ、米政府と共に関税を撤廃する用意があると表明した。
頼氏はブルームバーグ・オピニオンに寄稿し、「台湾はすでに平均で名目税率6%という低関税を続けているが、米国との相互関係に基づき、この税率をさらにゼロまで引き下げる用意がある」と明らかにした。
公正な貿易の最後の障害を取り除くことで、米台「経済間の貿易と投資の流れをさらに促進することを目指している」という。
トランプ大統領は先週、多くの貿易相手国に対する上乗せ関税を発表する中で、台湾については半導体を除き32%の輸入関税を賦課する方針を示した。トランプ政権はその後、数十カ国に課した高関税を一時停止した。
トランプ氏は対米貿易黒字を抱える国や地域に関税を課す傾向があり、頼氏の提案を米国側が受け入れるかどうかは不明だ。
台湾では頼氏に対し、最大の貿易相手国である米国と関税引き下げの交渉をまとめることができなかったとして批判が高まっている。頼氏の呼びかけは米国との自由貿易協定(FTA)締結を求める台湾の長年の願いを反映している。
頼氏は寄稿文で、台湾は「米製品の調達を急拡大」し、自衛目的の武器購入を増やし、対米投資を強化すると説明。
こうした動きは「台湾が変化する貿易情勢をどのように乗り切るかに関する包括的なロードマップ」を示しているとし、米台の「経済関係における課題を成長と強靱(きょうじん)さ、戦略的連携に向けた新たな好機へと変える」ものだとアピールした。
原題:Taiwan’s Lai Floats Zero Tariffs on US Goods to Placate Trump(抜粋)
--取材協力:Cindy Wang.
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