(ブルームバーグ):トランプ米大統領の相次ぐ関税賦課は国際自由貿易時代の終焉(しゅうえん)を意味し得ると、欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事はみている。
同理事はイタリア北部チェルノッビオで開かれた財界首脳会議で5日に講演し、トランプ政権が相互関税の発表日を「解放の日」と呼んだことに触れ、「『解放の日』は解放にならず、グローバルな自由貿易の終わりを告げるものになったようだ」と述べた。
トランプ大統領は以前、欧州連合(EU)を「米国から搾取するため」に創設されたと表現。シュナーベル理事は「EUは米国から搾取するためではなく、欧州を繁栄させるために誕生した」と述べ、「われわれが経験している地政学的変化に対処する最善策は、欧州をより強くすることだ」と指摘した。
同理事はインフレ率がECBの目標2%に達する見通しだとし、経済は「現時点ではソフトランディング(軟着陸)に向けて順調」とも語った。
17日の金融政策決定を前にECB当局者は10日から、金融政策に関する対外的な発言が制限されるいわゆる「ブラックアウト」期間に入る。追加利下げの有無についてECBから明確なシグナルは発せられておらず、会合の結果は予断を許さない。
原題:ECB’s Schnabel Says Trump’s Onslaught May Mark End of Free Trade(抜粋)
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